「ひとりでいたい」は孤独じゃない。群れが苦手だった学生時代の私

私は、基本的に一人でいたい。

これは最近になって生まれた気持ちというより、
たぶんずっと前からそうだったと思う。

けれど、学生の頃は「一人」になることが、
たまらなく怖かった。

一人でいると浮いて見えるし、
周りから
「友達がいない人」
に見られるような気がした。

一人でいることそのものより、
「一人でいる自分」を
周りがどう見ているか。

そっちのほうが、
ずっと気になっていた。

一人で行動する勇気が、
なかったのだ。

だから、
本当は落ち着かなくても、
本当は疲れていても、
無理をして群れの中にいた。

一人でいるより、
群れの中にいるほうが、
「変な人」と思われずに済む。

当時の私にとって、
群れは安心できる場所ではなく、
自分を守るための、
いわば避難所のようなものだった。

大人になって、
常に誰かと一緒にいなくてもいい環境が
増えていった。

無理に輪に入らなくてもいい。

そういう状況になったとき、
意外なことに、
淋しさはほとんどなかった。

一人でいる時間は、
誰にも気兼ねせず、
自分のペースでいられることが
心地よかった。

「一人=孤独」
だと思っていたけれど、
実際には、
一人でも孤独じゃない時間があることを、
そのとき初めて知った。

もちろん、
この感覚には背景もあると思う。

家族がいて、
帰る場所があって、
完全に一人きりではない環境。

そういう土台があるからこそ、
一人でいる時間を
安心して受け取れている部分も大きい。

それでも、
学生の頃に恐れていた
「一人ぼっち」と、
今、自ら選んでいる
「独りでいる時間」は、
同じ言葉でも中身がまったく違う。

前者は、
「一人になったら、
自分の居場所がなくなる」
という怯え。

後者は、
「今は独りでいたいから、
この場所を選ぶ」
という意志。

それは、
誰かから離された一人ではなく、
自分で選んだ独りだった。

「一人でいたい」という気持ちは、
孤独とは違う。

今は、
そう言えるようになった。